小さな働き者たちーコラムー
気が付けば、今年も残すところあとひと月になりました。
もう2023年が終わるなんて、びっくりです!(私だけでしょうか?)
そして、やっと秋らしい――いえ、冬みたいな気温になったと思えば、夏日みたいな日もあったりと、相変わらず安定しない陽気が続いてますが、こういうときは体調を崩しやすいので、皆さま、お体にお気を付けくださいませ。
健康第一です♪
さて、前回は栗ごはんからの植物のごはん――栄養素のお話をしましたが、今日は、人間の健康から植物の健康のお話に移りたいと思います。
え、強引?
まあ、そう仰らず。
前回、植物のごはんは必須元素でしたが(強引)、
植物の健康の場合、ほとんど土壌の状態(健康)にかかってると言っても良いでしょう。
まあ、ごはん(必須元素)も大半土中にあるわけですが。
ではこの土壌の状態を良くする=健康にしてくれるものって一体何なのでしょうか?
栄養豊富な土?
もちろん、それもあります。
荒地では、植物はうまく育たないですからね(肥沃でない土地を好む植物はいます)。
ただ、やたらと肥料を与えれば良いのではない、というのは、皆さん良くご存じのこと。
実は、植物は大方の必須元素をそのままの状態では吸収できません。
土中の必須元素を植物が吸収できる形に変えてくれる存在がいるのです。
それが下の図にあるような菌やバクテリアと呼ばれる微生物たちです。

この小さな働き者たちは、窒素を植物が吸収できるようなアンモニアに変えたり(窒素固定)、遠くにある栄養素(リン酸)を菌糸というネットワークを使って根まで運んでくれたりします。
また、微生物拮抗といって、土中で適度な微生物のバランスが保たれていれば、植物にとっての病原菌を寄せ付けないし、増殖もさせません。
これは植物の健康を守るために非常に役に立っています。
人間でも、健康なときには、少々のウィルスに曝されたとしても、発病しないですものね。
免疫システムがうまく働いているおかげです。
これを土壌で保ってくれるというのが、微生物たちというわけです。
先程、植物の健康は、ほぼ土壌の状態にかかっていると言ったのは、こういう理由です。
化学肥料や殺虫剤、過度の土壌の消毒が問題となっているのは、この微生物たちを殺してしまうからなんですね。
さて、植物にとって(生物にも)、こんなにも重要な微生物たちですが、実はタナクラクレイに中には沢山の微生物が生息しています。
タナクラクレイは腐植質なので、豊富な細菌叢を持っているのです。

上はタナクラクレイの細菌叢の解析結果です。専門の会社に依頼し、解析していただきました。
グラフは、多く含まれる細菌上位5種とその割合です。
門、網、属というのは、生物分類上の階級です。
例えば、皆さんご存じのビフィズス菌は、
真正細菌界放射菌門放射菌網ビフィドバクテリオ目ビフィドバクテリオ属ビフィダム/インファンティス/ロンガム等
となります。
目が点になったところで、
上のグラフの門について、

こういう特徴を持つ菌だそうです。
腸内細菌や皮膚常在菌など、身体に良さそうと思われますね。
2番目に多いプロテオバクテリア(Proteobacteria)は、一見、大腸菌やサルモネラ菌だの病原体が含まれるとあって、「大丈夫なの?」と思われそうですが、網のグラフを見てください。
3番目に多い種類(青で囲ってある)で、ベータプロテオバクテリア(Betaproteobacteria)という名前が見られますが、これはプロテオバクテリアの一種です。
このバクテリアは、アンモニアを酸化し、植物にとって重要な亜硝酸塩を作ります。
これも窒素固定であり、植物にとっては重要な働きをしてくれるものなのです。
他にも、プロテオバクテリアは窒素固定や炭素固定、発酵に関わる働きをしてくれます。
このように、プロテオバクテリアは病原体も含みますが、植物にとって重要な菌類です。
そして、先程言いましたように、微生物は拮抗状態が大事です。
特定の種が優勢になりすぎると、他が死滅し、餌がなくなることで、いずれは優勢だった種も死滅するようになってしまいます。
網の説明。

属の説明。

一つ一つを説明していくと、膨大な記事になってしまうので、ここは割愛して、さらっと総評です。

やっぱり、身体に良い菌って感じですね。
実際そうなんです。
タナクラクレイは、家畜の配合飼料としても使用されております。
牛さんも快腸♫
そして、植物にとっても重要で、堆肥の発酵を促進させてくれたり、アミノ酸の生成や発酵、糖への分解によって、植物の旨味を上げてくれたりします。
もちろん、外から来る病原体の侵入も防いでくれます(ビフィズス菌はそういう働きが強いそうです)。
ちなみに下はタナクラクレイと他の土壌(京都芦尾森林)の細菌叢(門)を比較したものです。

タナクラクレイ中では一番多いファーミキューテス(Firmicutes)が京都芦尾森林では全然いません。
腸内細菌や皮膚常在菌、ヨーグルトなどの発酵食品の中にいるファーミキューテス。
これが植物の栽培に重要なのは上で述べましたが、通常の土壌にはそんなに多くいないので、やはり補ってあげるのが良いでしょう。
それにはタナクラクレイがおススメです(笑)
皆さん、この小さな働き者たちを一つ、皆さんの土地にお迎えしてみては如何でしょうか?
web担当:M
